DST Exercises 2A 解答

作成者: @fujidig, 作成日: 2019/3/23

Moschovakisの"Descriptive Set Theory" (2009)の2A節のExercisesの解答です.

Exercise 2A.3

問題

点$x$がpointset $A$の孤立点であるとは$x \in A$であって,$A$の集積点でない点のことをいう. pointsetはたかだか可算の孤立点を持つことを示せ.

解答

第二可算空間$X$のpointset $A$を固定する. $X$の可算な開基$\mathcal{B}$をとる. $A$の孤立点全体の集合を$I$とすれば,単射 \[ f: I \to \mathcal{B} \] が作れる.実際,各$I$の点$x$は$\mathcal{B}$のメンバーで$A$の点を$x$しか含まないものを持つからそれを各$x$に対して選び$f(x)$とすればよい. $f$が単射なので,$|I| \le |\mathcal{B}| \le \aleph_0$である. □

Exercise 2A.4

問題

pointset $A$の導集合$A'$を次で定義する: \[ A' = \{ x \in A \mid \text{$x$ is a limit point of $A$} \}. \] 固定した閉集合$A$に対して,超限再帰によって集合$A_\xi$たちを次で定める: \begin{align*} A_0 &= A, \\ A_{\xi+1} &= (A_{\xi})', \\ A_\lambda &= \bigcap_{\xi\lt\lambda} A_\xi & \text{if $\lambda$ is a limit ordinal}. \end{align*}

このとき,ある可算順序数$\lambda$について$\bigcap_\xi A_\xi = A_\lambda$なこと,$A_\lambda$がperfectなこと (空かもしれない),そして$A \setminus A_\lambda$が可算なことを示せ. (これはCantor-Bendixsonの定理の別証明である)

解答

まず$\{A_\xi\}_\xi$は単調減少な閉集合の列なことに注意する.

$X$は第二可算なので可算な開基$\{U_n \mid n \in \omega \}$がとれる. \[ I_\xi = \{ n \in \omega \mid U_n \cap A_\xi = \varnothing \} \] とおく.$I_\xi$は開集合$A_\xi^\mathrm{c}$に含まれるようなnbhdの番号の全体である.よって$I_\xi$は$A_\xi$の情報を完全に持っている.

今,$\xi \le \eta$ならば$I_\xi \subseteq I_\eta$である. もしすべての$\xi \lt \omega_1$について$I_\xi \subsetneq I_{\xi+1}$であるとする.このとき$f(\xi) = \min (I_{\xi+1} \setminus I_\xi)$とおけば$f: \omega_1 \to \omega$は単射.これは$\omega_1$の定義に反する.

よって,$I_{\xi_0} = I_{\xi_0+1}$となる$\xi_0 \lt \omega_1$が存在し,したがって$A_{\xi_0} = A_{\xi_0+1}$である. このとき$\xi > \xi_0$に対して$A_\xi = A_{\xi_0}$となっていることが分かる. ゆえに,$\bigcap_\xi A_\xi = A_{\xi_0}$である.

$A_{\xi_0} = A_{\xi_0+1} = (A_{\xi_0})'$ということは$A_{\xi_0}$に孤立点はない.

\[ A \setminus A_{\xi_0} = \bigcup_{\xi \lt \xi_0} A_{\xi+1} \setminus A_\xi \] であり,$A_{\xi+1} \setminus A_\xi$は$A_\xi$の孤立点全体なのだから,Exercise 2A.3より可算集合.可算集合の可算和は可算なので$A \setminus A_{\xi_0}$も可算集合である. □

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